工場のQC活動は面倒か。35年やってきた正直なところ
正直に書きます。QC活動は、めんどくさいです。特にリーダーが回ってきた年は憂うつになります。35年やってきて、この気持ちは変わりません。
それでも無駄だとは思っていません。私は1989年に自動車部品メーカーへ入社し、試作課に35年います。工場のQC活動が実際どんなものかを、面倒な部分も含めて書きます。
班単位で5〜6人、基本は週1回
QCサークル(職場の小さなグループで、品質や作業のやり方を改善していく活動)は班の単位でやります。うちの班は5〜6人なので、その人数のグループになります。知らない人の集まりではなく、毎日一緒に働いている顔ぶれです。
集まるのは基本的に週1回。毎日やるわけでも、月末に一気に片付けるわけでもありません。仕事の合間に、少しずつ進めていく形です。
昔は時間外だった。今は業務時間内
ここが一番大きく変わったところです。
昔は、時間外にやるのがQC活動でした。仕事が終わってから集まる。今から思えば、ずいぶんな話です。
今は業務時間内にやります。定時を過ぎてやる場合は残業扱いになり、残業代も出ます。つまり、ただ働きではありません。「QCのために家に帰れない」という心配は、今のところ要りません。
テーマは自分たちで決める。点数をつけて選ぶ
何をテーマにするかは、自分たちで決めます。上から「これをやれ」と降りてくるわけではありません。
決め方はこうです。まず班のみんなでテーマ案を出し合う。次に、出てきた案それぞれに点数をつける。そして一番点数の高いものをやります。多数決というより、評価をつけて選ぶやり方ですね。
自分たちで選んだテーマなので、少なくとも「なんでこんなことを」とはなりません。ここは救いだと思います。
中身は時間短縮が一番多い
実際にやるテーマは、だいたいこの2つに集まります。
- 作業時間の短縮(一番多い)
- 不良の低減(その次に多い)
どちらも、日々の仕事で困っていることです。この作業に時間がかかりすぎている、この工程で不良が出やすい。そういう身近な問題を持ち寄って、班で考えます。
発表は年2回。資料はパワーポイント
成果は年2回、課内で発表します。全社の大会に出るようなものではなく、身内の前での発表です。
資料はパワーポイントで作ります。だから、工場で働くのにパソコンが使えたほうがいいと私が言うのは、この場面があるからです。エクセルとパワーポイントの基本操作ができれば十分ですが、まったく触れないと苦労します。
改善提案のノルマと報奨金は、今はない
QC活動とは別に、改善提案の制度がある会社もあります。うちも昔はありました。
当時は「月に何件出すこと」というノルマがあり、出すと報奨金も出ました。件数を稼ぐために提案をひねり出す、という面もあったと思います。
今はその制度自体がありません。ノルマも報奨金もなくなりました。代わりに業務改善書という書類はあります。工場勤めというと提案のノルマを想像する人がいるかもしれませんが、少なくともうちでは過去の話です。
めんどくさい。それでも無駄ではない
本音を書きます。QC活動は、正直めんどくさいです。そしてリーダーが回ってきた年は憂うつになります。まとめ役をやるのは、単純に負担が大きい。
それでも良かったと思うことが2つあります。
ひとつは、終わったときの達成感です。半年かけて取り組んだことを発表し終えると、それなりのものが残ります。
もうひとつは、資料をまとめる練習になることです。将来職制(現場の管理職)になれば、資料を作って人に説明する場面が必ず来ます。QCはその予行演習になっています。
評価の面でも意味があります。作業時間の短縮は課全体の目標になっているので、そこに貢献すれば評価は上がります。昇進にも影響していると思います。
最後に、これから工場に入る人へ。QCのことを何も知らなくて大丈夫です。入ってからで十分できます。仕事の教わり方と同じで、やりながら覚えることです。
ただ、リーダーが回ってきたときは憂うつになります。それは先に言っておきます。そして、それを乗り越えていける人が上に上がっていきます。